【後味の悪い話】よもつひらさか

894 名前:1/2 :2008/12/20(土) 19:47:22
今邑彩のよもつひらさかという話。
老人は坂の前に立っていた。この坂を登れば駆け落ちして出て行った娘と会える。
数年ぶりの再会、初孫を拝むのだ。
暑さのせいか急に立ち眩みがした 。
「大丈夫ですか?これをどうぞ」
突然後ろから青年が水筒を差し出してきた。有り難く受け取り飲み干す。
「この坂は一人だと危ない一緒に登りましょう」
青年が言うに、この坂は一人だとお化けが出るのだと。
老人は快く受け入れる。
青年はお化けについて話し始めた。
この坂は黄泉比良坂といい、あの世とこの世の間なのだと。
一人で黄泉に行くのは寂しいから、死人はここで道連れを探す。
黄泉の食べ物を食べればこの世には戻れない。
だから坂が終わる前に死人は言葉巧みに食べさそうとするのだと。




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896 名前:2/2 :2008/12/20(土) 19:50:56
「私も以前ここで友人に煙草を勧められましてね、喘息で断ったのですが」
その時友人はすでに亡くなっていたのですよ、と青年はポケットからガムを取り出す。
「いかがですか」
縁起が悪いと老人は思わず手を払う。
青年の指は冷たかった。
青年は笑ってガムをしまった。
「このガムには助けられましたよ、他に食べる物がなくてね」
沢に落ちて足が折れて大変でした。と青年は言う。
老人はぎょっとする、最近この辺りの山で遺体が発見されていた。
そして必死に思い出そうとした。水を飲んだのは坂の内か、外か。
もうすぐ、ここを抜ければ娘孫が待っている。
ふと老人は違和感に気付いた、登り坂ではなく下り坂になっていた。
「もうすぐですよ」
青年は嬉しそうな声で笑った。
897 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/20(土) 19:56:40
下り坂って事は、天国じゃなく・・・
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[ 2017/07/27 21:09 ] 小説 | TB(0) | CM(0)
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