【後味の悪い話】「MOTHER3」

692 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/30(金) 20:21:28
折角だから、投下しよう。
ゲームは荒れると承知の上で、「MOTHER3」の話をさせてくれ。
マザーシリーズはアメリカンポップ調でホノボノしたグラフィックだが、
内容は結構ブラックで、油断すると痛い目に遭う。
ことに3は全編通して、これ鬱展開。
舞台はとある島。西部開拓時代を思わせる、村の人々もみな家族同然の小さく牧歌的な村。
主人公は頼りGUYなテンガロンハットのトーチャン、優しいカーチャン、幼い双子の兄弟の家族。
仲良く互いを愛する描写のOPの直後、カーチャンが死ぬ。
兄弟の遊び友達でもある、おとなしい恐竜にやられたらしい。
双子の兄が恐竜を追って飛び出し、更にトーチャンが追う。
しかしトーチャンが見つけたのは、改造され心を失った恐竜と、幼い息子の片方の靴だけだった……

村に行商人が現れる。
商人は、物々交換で暮らす人々に“お金”という素晴らしい物を教え、
幸せの箱(=テレビ)を配り、素朴な村に文明の恩恵を広めていく。
時を同じくして、村の周辺に奇妙なマスクを付けた軍隊が活動を始める……

ここで、数年が経過する。




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693 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/30(金) 20:22:09
村は近代化し、貨幣経済が定着した。
しかし物は豊かになったが、どこか人々の心は乾きつつあった。
また、島に奇妙な怪物、人為的に合成されたキメラが現れ始めた。
マスクの軍隊も暗躍する中、双子の弟は、軍の“仮面の指揮官”が自分に似ていることに気づく……
冒険は、島を崩壊させる鍵を巡る攻防へ展開した末に……

マスクの軍隊の黒幕、ポーキーが姿を現す。
ポーキーはマザー2からのキャラで、2の主人公の少年の幼馴染だが、
ワガママで自分勝手なポッチャリ系。
最初は世界を救う使命を背負った主人公に嫉妬し、
ことあるごとに邪魔する『クソガキ』程度の役だったが、
最終的には宇宙の破壊者たるラスボスをけしかけた果てに、別次元へと逃亡した筈だった……
3で現れたポーキーは、病に冒された老人だった。
「ボクはあらゆる時と次元へと逃げ、全ての時間から、弾き出された。
 ボクはもう、永遠に死なない存在になった。
 老人のまま。頭の子どものままなのにね」
永遠のワルガキにとって、生き物をキメラにするのも、
平和な村を狂わせたのも、島を崩壊させることも、時間潰しに過ぎない。
全て、強大な力を持つ子どもの、悪戯なのだ。

694 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/30(金) 20:22:58
更には、主人公の住む島さえも、ただの素朴な村ではなかった。
かつて高度な文明があり、崩壊し、消滅した。ひとつの島を残して。
生き残った人々は、自ら記憶を改ざんし、
それぞれが『村長』『保安官』『恋人同士』『家族』という架空の人生を作って、文明を封印し、村を作る。
村での暮らしは、『登場人物が自分が役を演じていることを忘れたお芝居』であったのだ。
文明の崩壊は、遥かな過去ではなく、村人達が体験した出来事なのだ。
島が崩壊すれば、この世界は完全に無と帰す。
ポーキーは言う。
「それが見たい。
 世界が消えた後も、
 ボクだけは存在し続けるのだろうけど」

ポーキーを退けた弟の前に立ち塞がる、仮面の指揮官。その正体は双子の兄。
改造され、心を失い、肉体は既に死んでいる。
弟を思い出し、母親の魂に導かれることを救済に、兄も消滅する。
直後、鍵が発動して島も崩壊し、画面がブラックアウトする。

697 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/30(金) 20:25:38
真っ暗な画面に、物語の中で出会ったキャラ達の声がする。
破壊の後に世界が再生されたこと。
再生された世界とプレイヤーの世界が隔たり、
彼らの姿を見ることができないことなどが語られ、おしまい。
ダイジェストにするとこんな感じだが、
また枝葉のエピソードが一つ一つヤな話満載なんだ。
毒キノコ食って、幻覚で見たポストを覗き込むと、
「千匹の鼠の死骸が詰まっていた」
「向こうからも覗いていた」
とかさ。
しかもカタルシスのない終わりだしさ。

698 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/30(金) 20:35:42
長文乙
確かに後味の悪いゲームだったな 2は名作だったのにどうしちゃったんだろう?
あと行商人がサルに電気ショック与えるとことかもうね
700 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/30(金) 21:53:32
マザー3ってもともとデキが悪くて何度も発売中止を繰り返してたからな。
ファンの熱心な後押しでなんとか発売したけどやはりデキは悪いままだったんだろう。
それより発売前から「犯人はヤス」並の勢いで「ラスボスは兄」と貼られまくってたのが後味悪い。
705 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/30(金) 23:25:54
>村は近代化し、貨幣経済が定着した。
>しかし物は豊かになったが、
>どこか人々の心は乾きつつあった。
この時点で ウヘェー だな。
706 名前:692 投稿日:2008/05/30(金) 23:32:37
まあ、あの全編通した無邪気顔した悪意は、
ある意味でデキが悪いとは言い切れないんだけどねー。
でもオレとしては主人公側も悲惨なんだけど、
ポーキーがモヤンモヤンするんだよなぁ。

ある場所に“偉い人の部屋(おもちゃだらけの子供部屋。
AKIRAのタカシ達の部屋みたいな。
考えたら、見た目老人の子供も元ネタか?)があって、
そこで『トモダチのヨーヨー』というアイテムが手に入る。それって、マザー2の武器なんだよ。
それから、ポーキーの本拠地の町の映画館で、マザー2のシーンが放映されている。
ポーキーの基地に博物館があって、ここにも2の懐かしい品々が飾られている。

つまり、ポーキーは2の主人公の邪魔をしていたけど、
ポーキーがそれでも友達と呼べるのは2の主人公だけだった。
2の冒頭では、
「僕も世界を救う仲間なのか?ドキドキ」
とか言ってるし、どっかで、
「お前も来いよ」
って言って欲しかったのかなぁ。
なんかね、歪んでるんだよ。愛情的に。2のギーグもさ。

707 名前:692 投稿日:2008/05/30(金) 23:32:57
そもそも、MOTHERは善意が裏目出る話だよ。
1では、
ある夫婦が宇宙人の子供ギーグを拾い、育てる。
しかし、そいつは邪悪な種族で、成長して地球を攻撃。
夫婦の孫にあたる少年が立ち向かうも歯が立たないが、
祖母がギーグに歌って聞かせていた
子守唄のメロディを歌うことで、
邪悪な心にわずかに芽生えた愛により
ギーグが自己矛盾を起こし、撤退する。
「I’ll be buck!」と言い残し。

2では、
ギーグが再び攻めてくる。
しかしラストバトルまでに自己矛盾から
精神崩壊を引き起こしている。主人公に向かって、
「主人公・・・トモダチ・・・」
「タスケテ・・・タスケ・・・・」
「イタイ・・・キモチイイ・・・」
と呼びかけながら襲いかかってくるラストバトルは圧巻。
ここでポーキーはギーグを見限って次元の向こうへ逃亡。
1でギーグを逃がしたことが2の発端であり、
ギーグに愛を与えたことが彼を破壊した。

3では、
ポーキーを倒すor救えていれば、
悲劇はなかったかもしれない。
また2と3の世界につながりがあるなら、
3の始まった時点で2の主人公の守った世界は滅びている。

なんだか、もうね・・・
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