【後味の悪い話】高橋克彦「言えない記憶」

780 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/04(水) 23:42:18
高橋克彦『赤い記憶』より「言えない記憶」
男が二十年ぶりの同窓会で、旧友と顔を合わせる。
友人の一人が、大水害の日に、妹が行方不明になった
ことを寂しそうに語った。

男は、その妹が苦手だった。身体の小さかった彼は、
彼女に納屋に閉じ込められ、まだ成熟していない
肉体を弄ばれた経験があった。
「あの日、妹はお前の家に行ったんだ。それなのに、お前は知らない、来ていない、
の一点張りだった。今でも、俺はお前に、複雑な気持ちがあるよ。本当なのかな、
ってな」
男は必死に否定する。
「知ってるんだ、お前と妹が、納屋で何をしていたのかを。」




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781 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/04(水) 23:43:01
憔悴しきって実家に立ち寄ると、皺は増えたが、美貌を残す叔母が迎えた。
「叔母さん、あいつの妹さんの、あの日、来ていないよね」
「気ちゃあいないさ」
微笑みかける叔母には、四十を過ぎても彼をドギマギさせる妖艶さがあった。
彼は思う。叔母は父と、親しくなりすぎていた頃があったのではないか。
大人になって振り返ると、当時の思い出の全てがそれを物語っているかの
ように考えられてならない。
故郷を発つ当日の午前、男は友人に呼び出される。
「あの日、やっぱり妹はお前の家にいったはずなんだ。妹の最後が知りたい。どうか思い出してくれ」
男はどうしても、記憶を手繰り寄せることができない。
「あの日のお前の行動を一から振り返るんだ。頼む、妹の最後の言葉でも、なんでもいい。話してくれ」
妹と会う約束はしていた。だが彼女は現れなかった。
空模様が落ち着いた後に、町内は妹の捜索で大騒ぎになった。
男ももちろん、方々を捜し歩いた。父と叔母は、なぜか参加していなかった
ように思う。
公園、野原、川辺、声を枯らしながら妹の名前を呼んで走り回った記憶がある。
そうだ、その前に、念のために二人の隠れ場所だった納屋を見た。
灯りもつけずに、叔母と父が詰まれていた箱を整理していたように思う。
その日は、それだけだ。

男は目をつむって、可能な限り記憶を探った。叔母と父は、あれは密会だったの
ではないかと、邪念がよぎる。

……父が手にしていた漬物樽からのぞいていたのは、大根ではなく、少女の
足だった、そんな恐怖が、ふとよぎった。
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[ 2016/09/08 22:51 ] 小説 | TB(0) | CM(0)
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