【後味の悪い話】「炎天」

654 名前:英語のテキストよりその1 投稿日:2007/03/12(月) 21:08:30
1975年8月10日、私の名前はジェームス・ブラウン。画家である。
今日は私の人生の中で最も珍しい日だったので起こった事がまだ記憶に生々しいうちに
できるだけ克明に書きとめておきたい。
今朝9時に朝食をとり、朝刊を読んだあと
描くべき物が浮かぶかもしれないと思ってあれこれ思案をめぐらせていると、
一つのアイディアが生まれた。

私は描き始めた。仕事にあまりに熱中していたので昼食は手付かずであった。
私が仕事の手を休めた頃、教会の時計が4時を打った。

出来上がったものは急いで描いたスケッチにしては、
これまで描いてきた物の中でも最良の出来であると私は確信した。
私はスケッチを丸めてポケットに入れ、散歩に出た。
5,6マイルは歩いたに違いない。7時半だった。

気がつくと私は庭へと続く門の前に立っていた。
入口の上には「石工・ブラックウッド」と書かれた看板があった。
庭の向うから口笛の音とハンマーを打つ音、そして鉄と石がぶつかる
冷たい音がした。男が一人背中を向けて座り、厚い大理石に何かを
刻んでいるところだった。

驚いた事にその男の顔は私が描いてポケットに入れた絵の、
まさにその顔だった。彼はそこに座っていて、汗が顔を伝っていた。
顔は同じであったがその表情は違っていた。彼は私をまるで
古くからの友人のように歓迎してくれて、手を握ってきた。
私は彼のそばに腰を下ろし、彼が大理石を切って墓石を作っていると気づいた。




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656 名前:英語のテキストよりその2 投稿日:2007/03/12(月) 21:10:16
「とてもきれいな石だね。」私は言った。
「展示会に出すんですよ。」と彼は答えた。
「画家の皆さんは展覧会をやりなさるでしょう?私たちもやるんです。」
私は不安になって言葉があまり出なかった。この男との出会いは
何か不自然なものがあった。そして墓石の上に書かれている文字に私は気づい
た。
『ここにジェームス・ブラウン眠る。1935年1月18日生まれ、
 1975年8月10日、突然に没す。』

冷たい旋律が背筋に走った。私は彼にどこでこの名前を見たのかとたずねた。
「ああ、別にどこかで見たわけではないんですよ。」とブラックウッドは答えた。
「名前が必要だったんで頭に浮かんできた最初の名前、一番簡単な名前を書いたんです。
 なんでそんな事を知りたがるんです?」
「大変不思議なんだが、それはたまたま私の名前なんだ。日付の片方もまさに私のものと同じだ。」
「それは不思議ですねぇ!」と彼は言った。
私はポケットからスケッチを取り出して彼に見せた。それを見ているうちに彼の表情が
変わってきて、ますます私の描いた男の顔に似たものになっていった。

「君は多分、私の名を聞いた事があるんだろう。」と私は言った。
「それじゃあんたは、きっとどこかで私を見たことがあって、それを忘れているんですよ!」
そして私たちはしばらく沈黙した。

657 名前:英語のテキストよりその3 投稿日:2007/03/12(月) 21:10:48
「あんた、どこに住んでなさるんですか?」とブラックウッドがたずねた。
私は自分の住んでいる場所を言った。急いで歩いても一時間はかかるだろう。
「今夜帰ったら、きっと事故にあう事になりますよ。車にひかれるかもしれません。
 一番いいのは、ここに私と12時まで一緒にいることですよ。」
と彼は言った。
私は何も考えることなく彼に同意した。
空気は雷をはらんでいるようだった。私は今テーブルの上でこれを書いていて、
そのテーブルは脚が一本壊れている。ブラックウッドは斧に刃をつける仕事が終わり次第
その脚を直してあげよう、と言った。彼はその刃を私の横で研ぎ始めた。

今、11時過ぎ。あと1時間もしないうちに私はいなくなっているだろう。
しかし、この暑さは耐えがたい。人を狂わせるくらい暑い。

661 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/12(月) 21:26:50
>>654
「炎天」だね。それ読んだ時、画家の鈍さにイラッとした覚えがある。
662 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/12(月) 21:32:11
どうやら自分も鈍いみたいだ…。
画家が死ぬことになるのは避けられないんだろうけど、いまいちラストが想像できない。
ブラックウッドが殺すの?(人を狂わせるくらいの暑さのせいで)
それともテーブルの脚が壊れてることで死につながるの?(ファイナルデスティネーションみたいに)
663 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/12(月) 21:45:58
えっ?終わり?
664 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/12(月) 21:57:20
確か画家の描いた絵は、法廷で今まさに判決を受けた瞬間で
ブラックウッドが唖然とした表情を浮かべてた筈。
画家自身が未来を予知したような絵を描いているのに
彼自身はまったく気が付いていないわけだね。
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[ 2016/05/29 22:30 ] 小説 | TB(0) | CM(0)
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