【後味の悪い話】ハムの誘惑 ワインの貞操


850 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/18(土) 06:24:58
昔の少女漫画の短編(レディコミだったかも)

肉屋のお姉さんがペンションに肉を運びに行く。
そこで十年ぐらい前に出会った少年と再会する。
高校生になった少年は、十年くらい前に少女と出会った後に母を亡くしていた。
おりしも、少女に名残惜しく別れを告げた直後の事だった。
お姉さんは確か20代前半ぐらいで、なんかいい雰囲気になる二人。
いい雰囲気になりながら、お姉さんは十年くらい前の事を回想する。

小中学生ぐらいだったお姉さんは魅力的な少女だった。
年下の少年は彼女に淡い初恋を抱き、
また、その父も彼女に恋をし肉体関係を持った。
少年の母は夫とお姉さんの関係に疑惑を持っていた。
お姉さんがペンションを出ていく少年に別れを告げた後に
母はお姉さんの方をちらりと見る。
お姉さんはその視線に気付き、美しい勝者の笑みを向けた。
怒りを胸に秘めた母親。
帰り道の車の中で突然ハンドルを奪い、
夫と息子を道づれに死のうとした。
だがその事故で死んだのは母親だけだった。
回想を終えたお姉さんは笑うだけで人が死ぬものなのねと思いながら、
同じ微笑を少年に向け、またいい雰囲気に戻った。

お姉さんはどちらかというと快活で男勝りな感じなのに、
そう見せかけて十代前半で妻子持ちを落としちゃうは、
半ば予想した上で妻に笑いかけるはと魔性の女で、
同世代の男女が大恋愛の末結婚という類の
漫画しか読んだ事のない俺にはショッキングだった

854 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/18(土) 10:14:30
>850
市川ジュンの「ハムの誘惑 ワインの貞操」ですね。
集英社から出ている「懐古的洋食事情」の2巻に載ってます。

ちなみに、15歳だった頃の少女の初恋の相手は少年の父。
母は二人の関係に気付き、華族だけにプライド高かった母は
別荘から帰る為の準備をしている時に注文を届けに来た少女が
門扉の向こうから向けた笑みに嫉妬のあまり我を忘れ、衝動的に
出発の準備をしていた車に乗り、握ったこともないハンドルを握り、
少女に襲いかかろうとするが、閉まっていた門に激突して死亡。

そしてその回想ををしていた少女は、少年がこの別荘に帰ってきた
のなら、初恋の相手である父も戻ってくるのね、簡単だったけど
少し時間が掛かったわ、と思いながら父の面影を残す少年に口付ける。

このシリーズは別作品「陽の末裔」の登場人物とタイトル通り大正から
昭和初期に掛けての洋食事情を織り交ぜた短編集で、結構面白くて
好きなんだけど、たまにこんな意味深な話が入ってるんだよな

 
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