【後味の悪い話】ロス・マクドナルドは黄色い部屋の夢を見るか?(法月綸太郎)



313 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/07/12(火) 23:44:06
法月綸太郎の短編から、
最高にブッ壊れた後味悪いやつを。
この作品はアメリカの作家ロス・マクドナルドへのオマージュとゆー事なんだが、
法月が普段から敬愛してるらしいので、まず本格的な謎解きを期待して読んでくれ。

アーチャーは私立探偵である。印象に欠け、めったに顔を覚えてもらえない。
その存在は紙のように薄く、身体を横にすれば消えてしまうだろう。
だが彼はそれを、職業に向いた特性として活かしている。
さて、アーチャーはある日、実業家のキンケイドから、孫娘アリスの捜索を依頼される。
半年前、父親を病気で亡くしてから情緒不安定となり、家出してしまったのだ。
アーチャーは編み物の得意なアリスの母から、アリスの写真を借りて捜査開始。
捜査の結果、アリスにはピートというヤク中の彼がいたことが解る。
また彼女はいかがわしいSF作家デッカードの愛読者で、会いたがっていたらしい。
デッカードはやはりクスリ漬けのパラノイア男で、同じヤク中の若者たちを家に集めて自堕落な生活をしていた。
その中に、アリスもピートもいる事を突き止めるアーチャー。
夜、ラリって家の外に出てきたピートを捕まえたアーチャーは、彼がアリスの血縁に当たる事を知る。
実業家のキンケイドが、かつてもて遊んで捨てた女の息子がピート。
ピートはキンケイドの実の息子であり、復讐のためにアリスに近づき堕落させようとしたのだ。
ピートを追い払ってアーチャーがデッカードの家に入ると、
クスリでヘロヘロになったアリスを、デッカードがいやらしく犯していた。
後ろからぶん殴り、アリスを連れ出すアーチャー。
しばらく後、アリスを無事にキンケイドの元に送り届け、仕事は終わったはずだった。
ところが翌朝、警察から連絡が。デッガードが、7つも鍵のかかった自宅の書斎で、
パンツ1枚で拳銃自殺をしたらしい。机上のタイプライターには遺書らしきモノもあった。
ドアには少々の隙間はあるが、普通の人間では通れない。だが警察は、殺人と疑っていた。




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314 名前:313つづき 投稿日:2005/07/12(火) 23:52:03
更なる調査により、アリスの母とデッガードが、双子の兄妹であった事がわかる。
貧しかったデッガードの両親が、生まれたばかりの双子の妹を里子に出したのだ。
デッカードは、妹は死んだと聞いていたが、
アリスの母のシャーロットは、自分が里子であると薄々気づいていたらしい。
またSF作家デッガートが兄であると密かに知っていたふしがある。
犯人として、アリスの母を指摘するアーチャー。今度の事件で、ショックを受け、犯行に及んだのだと。
アリスが戻ったあと、知らぬとはいえ実の姪を襲ったと聞いて兄が許せず、殺害したのだ。
得意の編み物の棒と系とを使って、ドアのすきまから仕掛けをあやつって、密室を作り上げたのだ。
だが、アーチャーとなじみのブラッドリー警部は、悲しい目をして、犯人としてアーチャーを名指す。
アーチャーは昔、不良だった。
しかし学生時代、良い家の少女と真剣な結ばれない恋をした。
彼女は妊娠したが親に連れ戻され、アーチャーとも別れさせられた。
だが子供は産まれていたのだ。その少女の姉夫婦の息子として育てられた。
息子は何も知らないまま、成長して結婚し、自らも子供をもうけた……それがアリスだったのだ。
アーチャーはその事を知っていた。かつての恋人はすでに他界していたが、アリスは彼女にうり二つ。
何があっても守りたい存在だった。
黙っているアーチャーに、ブラッドリー警部は続ける。
そのアリスが、汚らわしいデッカードにボロボロにされているのを見たとき、アーチャーに殺意が芽生えたのだと。
意識のないアリスを一旦たすけて車に運んだあと、アーチャーはもう一度引き返したのだ。
デッカードにパンツをはかせ、書斎に運んで、内側から全て鍵をかけた。
そして自殺に見せかけて、銃で撃った。タイプで遺書をうち、しかる後に、抜け出したのだ。
そう、アーチャーにはそれができたのだ。なぜか。
アーチャーは、本当に存在の薄い人間だったのだ。
紙のように薄く、身体を横にすれば、ドアの隙間くらい通り抜けてしまうような……。
 
終わり

315 名前:313 投稿日:2005/07/12(火) 23:52:52
長さのワリに複雑な血縁関係も、ハードボイルド風に統一した文体も乗り越えて、
見事に論理的な解決が最後にはあると期待して読んだオレ。
法月ともあろー者が、何だこのオチは! 読者なめとんのか。
…と思ったのはオレだけじゃないらしかったけどな。
それまでの法月の素晴らしい作風を信じて読んだものには、素晴らしい後味悪さが待っている作品だった。

316 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/07/12(火) 23:55:45
確かにミステリーとか超えちゃってるな
むしろトンデモ本の域。
これ買って読んだら頭を壁に打ち付けたくなりそ。

320 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/07/13(水) 00:00:05
>313
いやまて!

>アーチャーは、本当に存在の薄い人間だったのだ。
>紙のように薄く、身体を横にすれば、ドアの隙間くらい通り抜けてしまうような……。
な人間が
>印象に欠け、めったに顔を覚えてもらえない
はないと思うYO!

321 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/07/13(水) 00:08:28
>>320
たしかにめちゃくちゃインパクトがあるよな。
そんなやつ一度見たらなかなか忘れないよ。

322 名前:313 投稿日:2005/07/13(水) 00:10:19
うむ。そんなこんなも含めて、ミステリーとしての後味は最低。

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[ 2014/07/21 21:18 ] 小説 | TB(0) | CM(2)
この手の「本格期待してたら肩すかし」はほんと腹立つよなあ……
でも「黒い仏」と清涼院流水のは一回りして乾いた笑いしか出てこんかったが
[ 2014/07/21 22:46 ] [ 編集 ]
ハードボイルドのお約束をことごとく守ったパロディ、
ユーモア小説としては面白いけどね。
[ 2015/02/16 14:58 ] [ 編集 ]
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