814 名前:1/6 :2008/10/19(日) 22:38:01
ガイシュツかもしれんが『おひさまの世界地図』山口美由紀
少女マンガのかわいい絵で、内容は結構SF。
メルヘンチックに始まる話は、二人の大人(ジョン、メリー)と26人の子供達だけの村の生活。
食べ物も服も完全な自給自足。
「村」は深い森に囲まれ、その外は底の見えない谷と霧に囲まれている。
森の外にはなにもない、世界はそこで終わりだと教えられている。
「春」「夏」「秋」「冬」の季節はそれぞれ1年。
1年の最後の夜に特別なベッドで眠ると、次の朝には季節が変わっている。
子供は男女13人ずつ、AからZまでにちなんだ名前がついている。
Aのアミはそばかすのお転婆娘。男の子より強く木登りもかけっこも無敵。
Zのジークは男の子だけど内気でちょっとトロい。いつも図書室の本ばかり読んでいる。
元気なアミはこのみそっかすのジークと一番仲がいい。
子供は6~7歳くらいか?10歳はいってないかんじ。
ある日、動物の繁殖から「子供」の話になり、26人の子供達は男女13人ずつ、つまり
13組のペアになることに気付いて大騒ぎ。
お互いの相手を選ばなければ!と「お見合いごっご」を始める。
アミは「暴れ豚」と呼ばれて男の子に不人気。ジークも気弱すぎて同じく。
子供達は無邪気に平和に育っていて、誰も何も疑わないことに、ジークだけは気付いていた。
この村は変だ。
森の外に本当に何もないのだとしたら、本に載っている海や動物はなんなのだ、と。
大人はジョンとメリーだけ。自分たちの親はどこなんだ?AからZまでの名前をつけたのは誰か?と。
同じ頃ジークには誰にも言えない悩みがあって、
いつのまにか傷や病気を治せる不思議な力を使えるようになっていたこと。
この秘密をアミにだけ打ち明けようかと悩みながら言えずにいる。
815 名前:2/6 :2008/10/19(日) 22:39:32
そしてついに、この力を使っているところを誰かに見られた。
それは空からの声。「おひさま」の声だった。
おひさまはしゃべるだけでなく、村の出来事や子供達のどんな秘密も知っていた。
ジークはおひさまに「世界」のことと「外」のことを聞くが、やはり誤魔化される。
納得できないジークは「とりあえずおかしくない物を書こう」と村の地図を作り始めた。
それをアミに見つけられ、一緒に作ろうと盛り上がる。
「森の外」になにがあるんだろう、とつぶやくジークに、アミは「行けばいいじゃない」。
二人は入ってはいけないと禁じられている森を抜けて、谷にかかった吊り橋を見つける。
やっぱり外に何かがあるんだ、と橋を渡り始める二人。
途中まで来たところで、二人は撃たれて昏倒する。
ジョンとメリーが連れ戻しに来ていた。そして二人は橋の記憶を消される。
メリーが「記憶と一緒にあの力も消えていればいいんだけど…」と「おひさま」に呟く。
二人は遊んでいて転んで気絶したことになっていた。
アミの擦り傷をジークがあの力で治すと、アミはすごいすごいと大喜び。
知られたら怖がられるとばかり思っていたジークはやっと安心して、
もう一つのおひさまがしゃべるという秘密も教え、アミもおひさまと会話する。
「決めた!私は将来絶対ジークとペアになる!」とアミがおひさまに宣言。
ジークは地図の中に「アミ」と書き込んだ。
1年続いた「春」の終わりの日。明日からは「夏」。
「ゆりかご」という特別なベッドに入った子供達を見守るジョンとメリーの前で
ジークの「ゆりかご」が壊れた。ジョンとメリーとおひさまが一番恐れていた事態が起きた。
想定外だったジークの「力」で、ゆりかごは負荷に耐えられなかったのだ。
次の朝、子供達が起きた時にアミはジークがいないことに気付く。
メリーは「ジークは夜のうちに病気で死んだ。かわいそうなのでもう埋めてしまった」と告げる。
うそ!昨日まであんなに元気だったのに!とアミは泣いてふさぎ込む。
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