222 名前:1/3 投稿日:2007/06/29(金) 15:02:42
諸星大二郎「黒石島殺人事件」
人口百人に満たない小さな離島・黒石島で、全裸の女性の他殺死体が見つかった。
1人の刑事が、捜査のために本土から島に派遣される。
殺されたのはA子という若い女性で、胸を一突きにされた挙句顔を
切り刻まれていたという。全島民が知り合い同士のような島に
外部の人間が訪れた形跡はなく、犯人は島民の誰かで間違いない。
現に、島民の1人であるB男という若い男が姿をくらましている。
B男が何らかの理由でA子を殺し、逃亡したのだろう。
週一度本土と島をつなぐ定期船には、B男が乗り込んだ形跡はなかったため、
B男はまだ島に潜んでいると考えられる。島の男たちによって山狩りが行われていた。
刑事は死体の所在を尋ねるが、すでに埋葬されたあとだという。
死体がひどい状態だったこと、夏場で腐敗が進んでいることから、
A子の両親にすら見せずに、岬の仮葬儀用墓地に葬ったのだという。
ただ、仮葬儀で土葬にしてあるから掘り起こせば検死は出来るだろうとのことだった。
引っ掛かりを感じながらも、刑事は女性の服や凶器などについて尋ねるが
いずれもまだ見つかっていないという。また殺人現場も、島民たちに踏み荒らされたり
雨に流されたりしたせいか、手がかりになりそうな痕跡も、何も発見できなかった。
B男は見つからない、事件解決の手がかりもつかめない。民家に設置された即席の
捜査本部で刑事が煮詰まっていると、さらに厄介なことが判明する。
同じく島民の1人であるC美もまた、4~5日前から行方不明になっているという。
もしかして、山に入ったところをB男に見つかって殺されているかもしれない。
B男の捜索と共に、C美の捜索もせねばならなくなった。
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